Kazuの徒然ブログ コメンテーターになりたい

最近、パニック障害みたいな感じになって無職になった男の日記です。 思っていること、考えていることをメモ感覚で書きます。 皆様の「ちょっとした暇な時間」を充実させたい。 自己満足ブログです。

地獄の新入社員研修〜ここは地獄ですか?〜

この物語はノンフィクションです。

会社名、登場人物については仮名にしています。

 

<あらすじ>

都内の某大学を卒業した主人公のKazuは

都内の、とある中小企業である株式会社ホープワンに入社した。

入社して二日後に、3泊4日の新入社員研修があるとのことだった。

どんな研修があるのだろう。と緊張と不安、

そして少しワクワクした気持ちで研修を迎えるのであった。

 

 

<地獄の新入社員研修の始まり>

 

 

研修は、東京より西にある神奈川のとある山の上にある

民宿で行われるとのことだった。

 

 

研修当日、午後13時に現地集合だったので、

僕の同期含め5名で現地向かい、12時50分に現地に到着した。

 

 

僕たちの他に初めて見る顔が15人程、大広間に集合していた。

どうやら、株式会社ホープワンの取引先の会社の新入社員と

合同で研修を受けるらしい。

 

 

そうこう考えている内に時刻は13時になり、

大広間に、僕の会社の先輩社員と研修の講師、付き添いの

人事の社員等々が一斉に入室してきた。

 

 

そして先輩社員が開口一番、

「それでは新入社員研修を始めます。」と話し始めた瞬間、

 

 

講師「声が小せえんだよおおお!!!」

 

 

僕「へ???!!!!????」

一瞬何が起こったか理解できなかったが、すぐに状況を理解しようとした。

 

 

これは、とんでもない研修なんじゃないか・・・?

僕の顔に冷や汗が「すぅーー」っと流れた。

 

 

 

先輩社員「すみませんでしたああ!!!!

   これよりぃぃぃぃ、新入社員研修を

   ぉぉぉぉ、はじめます!!!!」

 

 

ここで、研修を受ける新入社員が一斉に正座になる。

そう、ここから地獄の新入社員研修が始まったのだ。

 

 

研修の開講式?が終わるとすぐにチームに分けられた。

 

 

講師「まずは、俺が良いと言うまで腹筋しろ」

 

 

僕 (へっ!?)

 

講師「返事ィィィィィィ!!!!」

 

みんな「はい」

 

 

講師「声が小せえんだよおおお!!!!」

 

 

みんな「はいぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 

〜〜〜〜腹筋中〜〜〜〜〜

 

 

もう何回腹筋しただろうか?

もう上体が上がらない。

 

 

そうこうしていると、講師が僕の腹の上に足から乗っかってきた。

とてもきついし、何より靴下が非常に臭い。

色んな意味で苦しかった。

 

 

講師「おい、まだ良いって言ってないよな!?」

 

僕「すみません!!」

 

 

3時間経った頃、やっと腹筋が終わった。

研修を受けている皆んな、ボロボロの状態であった。

 

 

その後、一旦休憩を挟み、再度、大広間に集合がかかった。

 

 

講師「これから研修の内容を発表する。」

 

僕 (さっきの腹筋は何だったのか。。。?)

 

講師「今回の研修で5つの試練を受けてもらう。

   その5つの試練を合格出来たら研修は終了する。

   当然、一つでも不合格のものは研修は終わらないからな!」

 

 

僕 (試練・・・?ドラクエの勇者の試練か何か?意味わからん。)

 

 

講師「最初の試練は、暗唱試練だ!

   今から渡す紙に書かれている文を覚えて

   3時間後に暗唱試練を開始する!以上!解散!!」

 

 

紙に書かれていたのは何だか宗教チックなことが書かれていた。

 

例えば、

「やる気とは何が何でもやり遂げようと言う情熱と

                最後までやり遂げる執念である」

 

みたいなことが10個書かれていた。

これを全て覚えて、暗唱するという試練であった。

 

 

みんな必死で覚えた。

 

 

〜〜〜〜3時間後〜〜〜〜

 

 

講師「試練を開始する!

   試練を受けるものは挙手しろ!!」

 

 

新入社員A「はいっ!」

 

 

講師「じゃあ、お前」

 

新入社員A「はいっ!

     株式会社〇〇!!新入社員A!!

      審査おねがします!!!!」

 

 

ちなみにだが、試練受ける前に、会社名・名前を告げて審査お願いします。

大声で言わなければならない。とにかく大声だ。

 

 

もう、とにかく声が枯れるくらい全力の大声だ。

もちろん女性も全力で言わなければならない。

 

 

新入社員Aが、スラスラと暗唱を続けていきミスなく終えた。

 

 

僕 (合格じゃん。凄えな!!)

 

 

講師「・・・・60点。不合格。」

 

 

僕 (え・・・なぜ・・・?)

 

 

言い忘れたが、この試練は講師の気まぐれだ。

90点以上で合格らしい、、、

 

 

そんなこんなで、この日の合格者は2人くらいだったと思う。

時刻はすでに夜の12時になっていた。夜遅くに大声を出すと

近所迷惑になるので、この日は解散になったのだが、

一日の終わりにチームに分かれて日誌を書き、

翌朝、講師に提出しなければならなかった。

 

 

この日誌だが、誤字脱字一文字につき、チームリーダが

腕立て伏せを×10回しなければならなかった。

 

 

この日誌は2〜3時間はかかる。

日誌を書き終えたのは朝の4時になっていた。

その後、お風呂に入って就寝した。

 

 

<地獄の歩行訓練>

 

 

〜〜〜〜2日目〜〜〜〜

 

 

朝6時30分起床、7時に朝礼。

全員、大広間に集合し、点呼をとる。

 

 

「株式会社ホープワン!!Kazu!!

  本日もよろしくお願いします!!!!!」

 

 

もはや軍隊である。

 

 

朝食を食べた後、大広間に集合し、

午前中は性格診断を行った。昨日との研修の落差が激しすぎた。

昼食をとった後、14時に民宿の玄関前に集合した。

 

 

講師「2つ目の試練は山の中を40キロ歩行訓練だ!」

 

 

僕 (地獄だ。。。。)

 

 

説明を忘れたが、研修が始まる前に、

通信機器、財布、時計等は全て没収されている。

 

 

持ち物は、500mℓの水とおにぎり二つのみで

山の中を40キロ歩くとのこと。道順はチームリーダーに伝えてある。

道を間違えるなとのこと。

 

 

各チームで道順が異なりチェックポイントを通過して、

チェックポイントに置かれている暗号を回収する必要がある。

 

 

各チーム10分おきに時間差で出発した。

 

 

僕たちのチームは順調にチェックポイントを回収し、

山の中を進んでいった。

 

 

僕 (意外といけそうだぞ!楽勝かも!)

 

 

だが、歩きはじめて5時間後に身体に異変が起きた。

 

 

足の裏に複数の水膨れができて、地面に足がつく度に激痛が走った。

それとずっと歩き続けているので、太ももが硬直してしまい、

屈伸すると激痛が走る。

 

 

チームの皆んなが同じ状態になり、歩くペースが少しずつ落ちていった。

みんな、足を引きずりながら歩いている様は、なかなかカオスで、

すれ違う車の運転者から、奇異な目で見られたが、足の痛みで、

気にもならなかった。

 

 

民宿を出発して9時間は歩いただろうか、、、

ようやくゴールが見えてきた。

 

 

チームの皆んなも僕も足に限界がきており、

引きずって歩くのでやっとだったが、無事ゴールした。

 

 

14時に出発し、23時に民宿に到着した。

疲労もあるが、それより足が痛すぎて悲鳴をあげそうだった(弱っ!!)

 

 

ゴールしてすぐに、お風呂に入り、一日目の暗唱審査を再度受けて

無事に合格した。その後、チームの皆んなで日誌を書いた。

 

 

この時、時刻は午前1時になっていたが、まだ帰還していないチームがいた。

 

 

最後に帰還したチームが民宿に到着したのは午前3時だった。

そこからお風呂に入り、昨日の試練を受けて、日誌を書いている頃には、

午前5時を回っていた。

 

 

この日は、全員睡眠時間1時間も取れなかった。

立って寝ている人がいたのは、流石に笑った。

 

 

この研修の恐ろしいところは、初めて会った人たちと、たった二日で

チームワークが生まれたことだ。なぜ、こんなにも早く団結力が

生まれたのかと言うと、

 

 

理不尽講師に「ぜってえ負けねえ!クソが!」みたいな気持ちを

チーム全員が共有し、絶対に試練をクリアしてやる!という執念が生まれ

チームのメンバー同士でどうすれば良いか話し合い、試行錯誤することで

チームワークが芽生えたのだ。

 

 

 

<鬼畜の研修3日目>

 

 

 

〜〜〜〜3日目〜〜〜〜

 

 

朝一の点呼で事件が起こる。

あるチームのメンバーが書いた日報に、

とんでもない誤字脱字があり(20文字くらい)

チームリーダーが腕立て伏せを200回することになった。

 

 

その間、他の人たちは正座をして、腕立て伏せをしているのを

見守るという、残酷な時間になった。

 

 

最初は、流石に200回は出来ないから途中でストップになると思っていたが、

本当に200回腕立て伏せをさせたのだった。

 

 

そのチームリーダーは、膝を突きながら、腕をブルブル震わせながら

腕立て伏せをしていた。その姿を見るのが凄いツラかった。

 

 

途中で床にぐったり伏してしまったチームリーダーを見て、

誤字脱字をした当の本人が、

 

 

「がんばれ!!」と言うキチガイな掛け声をかけ、

 

講師から「がんばれ!じゃねえだろ!!お前のせいなんだよ!!」と言われ

 

チームリーダーからもブチギレられていたのは、ちょっと笑ってしまった。

本当に申し訳ない。苦しい思いをしているのに笑ってしまって申し訳ない。

 

 

だが、こいつ、お笑いの才能があるよ。

 

 

とまあ、そんなこんなで、何とか腕立て伏せを乗り越え、

3つ目の試練が発表された。

 

 

講師「3つ目の試練は発声審査だ!」

 

 

僕 (もう、何でも良いから早く終わらせて寝たい。。。)

 

 

この3日目が合宿一番鬼畜だった。

 

 

何をするのかというと、

「あ・え・い・う・え・お・あ・お」の発声を

とにかく全力で叫ぶだけと言う、謎の鬼畜審査である。

 

 

まずは、練習しろとのことで、新入社員全員が叫び出す。

 

 

「あああえええいいいうううえええおおおあああおおお!!!!!!!!」

「おえええっ」

 

 

叫びすぎて嗚咽するもの、叫びすぎて酸素が足りず過呼吸になるもの。

僕は周りを見渡すと、そこは地獄絵図になっていた。

 

 

過呼吸になった人(女の子)は、ぶっ倒れて、休憩室で休むことになった。

 

 

しかし、幸運なことに、近隣から苦情が入った。

うるさすぎて、静かにしろとのことだった笑笑笑

 

 

この苦情により試練は中止になった笑笑笑

 

 

講師「続いての4つ目の試練はラジオ体操だ!」

 

 

僕 (もう何を言われても驚かん。。。)

 

 

ラジオ体操の審査は、各チームに分かれて、

振り付けを間違えることなく全力で踊り抜く。と言う

これも謎の試練だ。(もはや謎の試練しかない)

 

 

各チーム練習時間を1時間とり、動きを覚えた。

 

 

〜〜〜〜1時間後〜〜〜〜

 

 

 

この審査のキツイところは、前日に40キロ山の中を歩いたため、

足がボロボロなので、屈伸運動がとにかくしんどい。

 

 

それと、審査場所から40mくらい離れた所に待機し、

審査開始と同時に審査場所までダッシュしなければならない。

足裏の水膨れがぶっ潰れて、痛すぎてツライ。

 

 

しかも、このラジオ体操だが、一人でも間違えると不合格になり、

間違った箇所の指摘がないから、誰が間違ったのか分からず、

どこを改善して良いか分からなくなる。

 

 

もっと言うと、そもそも間違ってないと思うんだけど、

不合格にされるという鬼畜ぶりだ。

 

 

僕たちのチームは、何回も不合格になり、

恐らく10回以上はやり直したと思う。

 

 

本当に、足がぶっ壊れるんじゃないかって思った。

 

無事に合格した時には、僕の足は大損壊していた。

 

 

時刻は16時になっていた。

 

 

講師「それでは最後の4つ目の試練を伝える」

 

 

僕 (はぁ。やっと終わる。早く帰りたい。)

 

 

講師「最後の試練は自己決意審査だ。

   これから会社でどのように貢献するのかと

   自分の両親に対しての感謝の気持ちを述べろ。」

 

 

僕 (もう何を言っているのか分からない。)

 

 

僕の頭は正常に回転していなかった。それもそのはず。

そもそも、この研修での睡眠時間は30分から1時間取れるかどうかだったので

とにかく気合いと根性で何とか乗り越えてきた。

 

 

どういう試練か解説すると、

最後の試練は講師に対して、これから会社でどういうことで貢献するのか

どういう人物になりたいのかを全力で決意表明し、合格が出たら

最後に自分の両親に対して感謝の気持ちを言う。という

自分の決意を表明するという審査である。

 

外食チェーン店の研修にも、同じようなのがあったので、

参考までに、YouTubeで検索してみてください。

 

 

 

 

自分の番が順番に回ってくるのだが、一番難しい試練だった。

僕は最初「誰からも愛される営業マンになります!!!!」的なこと言ったのだが、

 

 

講師「ほお。かっこいいねえ、、、不合格!!!」

 

 

 

色々、試したが、何度も不合格をくらった。

そうこうしていると、合格者で始めた。

 

 

合格者は涙を流し、それをみんなが祝福するという。

今、考えれば、非常に恐ろしい光景だった。

 

 

試練をやり直すこと5回目のことだった。

 

 

「僕はああ!!

  今ままでええ!!積極的な行動がなかったあああ!!

  いつも人任せでえええ!!、人の影に隠れええ!!

  自分から行動を起こせない臆病者だあああ!!

  そんな自分を本気で変えたいいいい!!

  僕は同期を引っ張るリーダーになるううう!!

  みんなを引っ張るリーダーになるうう!!

  絶対やりますうう!!うわああああ!!」

 

みたいなことを言ったと思う。

 

 

そしたら、講師が「続いて両親に対しての感謝の言葉を言え!」と言われ

 

 

そのまま、感謝の気持ちを述べた。

 

 

そしたら講師に、「目をつぶれ」といわれ、目を瞑ると、

講師が何やら手紙を読み出した。

 

 

実は、この手紙は僕の両親からの電報だったのだ。

そこには、「身体に気をつけて頑張りなさい。」と書いてあった。

 

 

僕は、泣いた。涙が「すぅー」っと流れた。

 

 

実は、この試練。

両親への感謝の気持ちを述べた後、事前に会社の人が自分の両親に

電報を書くように依頼してあり、最後に電報が読まれるのだ。

 

 

だから、試練を合格した者は、皆、泣いていたのだ。

 

 

僕は無事に最後の試練を合格した。

 

皆んなが祝福してくれた。

 

 

そんなこんなで、皆、試練に合格した。

その日の夜は、懇親会があり、お酒を少し飲んだ。

緊張が糸が切れたのか、すぐに寝てしまったけど。

 

 

翌朝、研修の修了式が行われ、解散。

 

 

地獄の3泊4日の新入社員研修が終了したのだった。

 

 

 

<後日談>

 

この研修は感動に包まれたような感じで終わりましたが、

冷静になって考えると、異常な研修です。本当に異常です。

 

 

「洗脳されていた」と言っても過言ではありません。

 

 

後日、聞いた話ですが、

最後の自己決意審査ですが、みんな同じようなことを言っていたそうです。

 

 

①僕(私)は、今まで、こういう人間で、本当にダメな人間だ。

②だけど、こういう人間に変わるんだ!

③絶対、こういう人間になります!

 

 

みたいなことを全員言っていたそうです。

 

 

山の中をひたすら歩かされ、講師に罵倒され、睡眠時間が取れない。

という生活をする中で、体力・精神を極限までに削ることで、

 

 

自分がダメな人間だから、

もっと頑張って、マシな人間にならないと。っていう思考になる。

 

 

宗教チックな言葉の暗唱から、それは始まっていたのだと思う。

 

 

ということで、この辺で終わりしたいと思います。

 

 

長文でしたが、読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

 

こういう研修があったら、気をつけてね。